イソフラボンを過剰摂取するとどうなるのか
イソフラボンを摂り過ぎるとホルモンバランスが乱れる可能性がある
大豆などに含まれているイソフラボンを過剰に摂り過ぎると、ホルモンバランスが乱れてしまう可能性があります。
ホルモンバランスが乱れると、月経不順や自律神経の乱れが起こりやすくなります。また、エストロゲンが過剰な状態になると、子宮内膜増殖症のリスクも高くなります。
イソフラボンには、女性ホルモンと似た働き(エストロゲン様作用)があります。イソフラボンを摂取して、加齢などで減少したエストロゲンと似た働きを補うことができれば、ホルモンバランスの維持に期待できます。
しかし、イソフラボンをサプリから摂り過ぎてしまうと、かえってもう一つの女性ホルモン(プロゲステロン)とのバランスが崩れてしまう場合があるのです。
イソフラボンを摂り過ぎるとどんなリスクがあるのか
月経不順
イソフラボンを過剰摂取して、ホルモンバランスが乱れると、月経不順が起こりやすくなります。
月経周期(※1)は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンがバランス良く働くことで、正常に保たれます。エストロゲンは子宮内膜(※2)を厚くし、プロゲステロンが子宮内膜に栄養を行き渡らせる役割を果たすのです。
しかし、イソフラボンの過剰摂取によって、エストロゲン様作用が過剰な状態になると、プロゲステロンとのバランスが崩れてしまい、月経周期が乱れやすくなります。
このような月経不順が続くと、不妊症などの原因に繋がってしまう場合があります。
大豆イソフラボンを、通常の食事以外(サプリなど)で57mg(1日)摂取すると、月経不順のリスクが高くなるといわれています。
(※1)正常な月経周期は25~38日です。
(※2)子宮内膜とは、子宮を覆う粘膜のことをいいます。
自律神経の乱れ
イソフラボンを摂り過ぎてホルモンバランスが乱れると、自律神経のバランスが乱れて、頭痛や動悸などの症状が起こる可能性があります。
女性ホルモンと自律神経は、どちらも脳にある「視床下部」でコントロールされています。そのため、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れると、自律神経にも悪影響を与えてしまう場合があるのです。
イソフラボンは適量(※3)摂取することで、正常なホルモンバランスを維持して、自律神経の乱れを抑えることができるので、摂取量に注意しましょう。
(※3)イソフラボンの1日の摂取目安量は、70~75mg程度です。
子宮内膜増殖症
閉経後の女性が、大豆イソフラボンを長期にわたって1日に150mg摂取すると、子宮内膜増殖症のリスクが高くなるといわれています。
子宮内膜増殖症は、子宮内膜が異常に増殖して厚くなってしまう状態のことを指します。
本来子宮内膜は、月経周期に伴って増殖し、月経のときに剥がれ落ちます。この子宮内膜の増殖に深く関係しているのが、エストロゲンです。
イソフラボンを摂り過ぎてエストロゲン様作用が過剰な状態になると、子宮内膜が異常に厚く増殖してしまう恐れがあるのです。
子宮内膜増殖症の症状は、不正出血や過多月経、それによる貧血や動悸などです。
また、子宮内膜の過剰な増殖状態が続くと、子宮体がんのリスクも高くなる可能性があります。ですから、イソフラボンを健康維持のために摂取するなら、過剰摂取にならないように量を意識しましょう。
(※)摂取目安量を超えることで直ちに健康被害が起こるわけではありません。(厚生労働省の食品安全委員会より)上限が設定された背景には、5年という長期的なイソフラボンの摂取による試験の結果があります。サプリからの摂取は30mgにとどめ、食品からのイソフラボン摂取であれば、過度に神経質になる必要は無いと言われています。