イソフラボンを含む食品について(味噌)
味噌はイソフラボンをはじめ健康に役立つ栄養素が豊富
味噌18g(大さじ1杯)には、イソフラボンが7.2mgと多く含まれています。味噌汁1杯から摂取できるイソフラボンの量は、1.6~13.2mgです。
味噌の中でも、特に豆味噌にイソフラボンは多く含まれており、その量は米味噌の2倍、麦みそのおよそ4倍ともいわれています。
味噌に含まれているイソフラボンには、体に嬉しい特徴があります。また、味噌なら大豆には少ないアミノ酸やビタミン類も、イソフラボンと一緒に摂取することができます。
健康を維持するためには、味噌をなるべく毎日とることが望ましいですが、イソフラボンと塩分の過剰摂取にならないように注意することが大切です。
味噌に含まれているイソフラボンの特徴
味噌に含まれているイソフラボンは、吸収性に優れた「アグリコン型」と呼ばれるものです。豆味噌のイソフラボンの95%以上は、このアグリコン型イソフラボンです。
豆腐など一般的な大豆食品のイソフラボンは、糖が結合しているため、そのままではうまく体内に吸収されません。このようなイソフラボンを、「グリコシド型」といいます。
一方、味噌の場合は、こうじ菌の働きによって発酵段階で糖が外され、アグリコン型になります。アグリコン型は糖が結合していないので、体内でスムーズに吸収されます。
そして、体内でうまく吸収されることで、イソフラボンがもつエストロゲン様作用(※1)が発揮されるのです。
(※1)女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをエストロゲン様作用といいます。
味噌ならイソフラボンと一緒にアミノ酸もしっかり摂れる
味噌をとることで、イソフラボンと一緒に大豆には少ないアミノ酸を多く摂取することができます。
味噌の主な原料は大豆ですが、その大豆のタンパク質は発酵の段階で、酵素の働きによって分解されて60%がアミノ酸になります。
このアミノ酸の中には、生命維持に欠かせない必須アミノ酸(※2)全9種類が全て含まれています。
(※2)必須アミノ酸は、体内ではつくれないため食品から摂取する必要があります。
また、タンパク質はそのままの状態だと吸収されませんが、アミノ酸の状態に分解されることで、血液で全身に運ばれて吸収されます。
味噌には、このようなアミノ酸の他にも、ビタミンや食物繊維なども豊富に含まれているため、栄養面では大豆よりもさらに優れているのです。
味噌の過剰摂取に注意しよう
味噌には、イソフラボンや塩分が多く含まれているため、過剰にとらないように注意することが大切です。味噌汁なら、一日2~3杯までに抑えると良いでしょう。
イソフラボンの一日の摂取目安量は、70~75mgです。味噌汁を何杯も飲んでしまったり、他の大豆食品も一緒に沢山とってしまうと、過剰摂取となってしまう場合があります。
イソフラボンにはエストロゲン様作用があるため、過剰に摂るとかえってホルモンバランスが乱れてしまう可能性があるのです。
また、味噌汁1杯に含まれている塩分量は、平均で1.2g~1.5gです。一日に摂取しても良い塩分量は、成人男性で8g未満、成人女性の場合は7g未満です。
そのため、味噌汁を一日に何杯も飲んでしまうと、塩分の摂り過ぎで高血圧などにも繋がってしまう可能性があります。