イソフラボンの働きは乾癬の症状悪化の予防に役立つのか

イソフラボンには乾癬の炎症悪化予防に期待できる働きがある

乾癬(かんせん)は、皮膚の炎症症状を伴う慢性の病気です。主な症状は、皮膚が厚く積みあがる浸潤(しんじゅん)や赤い発疹(紅斑)、フケのような鱗屑(りんせつ)です。

この乾癬が起こる原因は、まだはっきりとわかっていません。しかし、遺伝的な要因に、ストレスや肥満などの外部からの要因が加わることで、免疫系に異常が生じて炎症が起きていると考えられています。

大豆などに含まれているイソフラボンには、この炎症に関与している物質がつくられるのを抑えたり、炎症を悪化させる酸素の影響を抑制したりする働きがあります。

イソフラボンの女性ホルモンと似た働きで炎症による症状悪化を防ぐ

乾癬の患部では炎症を起こす物質が大量につくられている

乾癬の炎症に大きく関わる物質が、「TNF-α」という炎症性サイトカインです。このような炎症を起こす物質が過剰につくられてしまうと、健康な細胞にダメージを与え炎症を引き起こしてしまいます。

TNF-αは、直接炎症作用を起こしたり、炎症を起こす別のサイトカインの産生を促したりして、炎症をさらに悪化させてしまうのです。
乾癬の患部では、このTNF-αが多く生み出されています。

女性ホルモンのエストロゲンは炎症を起こす物質の産生を抑えてくれる

女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、炎症性サイトカインの産生を抑える働きがあります。そのため、エストロゲンが高いレベルで持続する妊娠中は、乾癬の症状が軽くなる場合があるともいわれています。

しかし、更年期以降の女性は、エストロゲンを分泌する卵巣の機能が低下するため、乾癬が起こるリスクが高くなってしまうのです。

イソフラボンの摂取でエストロゲンと似た働きを補える

イソフラボンには、エストロゲンと似た働き(エストロゲン様作用)があります。そのため、イソフラボンを摂取することで、炎症性サイトカインの産生の抑制に期待できます。

実際に行われた試験でも、吸収が良いアグリコン型イソフラボンによって、TNF-αの産生の抑制が確認されました。

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しかし、イソフラボンによる乾癬の予防・改善効果はまだ研究途中であり、2018年現在では乾癬の確実な予防法はありません。
ですから、乾癬を治療中の方は、自己判断で安易にイソフラボンを摂取するのではなく、必ず医師に相談しましょう。

イソフラボンが炎症を悪化させる酸素を抑える

酸化力の強い酸素が炎症を悪化させる物質をつくる

乾癬の炎症を悪化させる原因の一つとして、活性酸素による影響が考えられます。

この活性酸素は、呼吸によって酸素を吸うだけで体内で発生し、本来は細菌などを退治する役割を果たします。しかし、ストレスや喫煙などの影響を受けると、この活性酸素が大量に発生し、健康な細胞まで酸化させてしまうのです。

人の細胞膜(※1)を構成する不飽和脂肪酸が酸化されると、「過酸化脂質」になります。
(※1)細胞膜とは、細胞表面を囲む薄い膜のことをいいます。

そして、この過酸化脂質が増えてしまうと、乾癬の炎症がさらに悪化してしまう恐れがあるのです。

イソフラボンの働きが酸化力が強い酸素の影響を抑える

イソフラボンには、活性酸素の影響を抑える強い「抗酸化作用」があります。イソフラボンは、自ら身代わりになって酸化されることで、細胞や脂質などを守ってくれるのです。

この抗酸化作用によって、過剰な活性酸素による影響が抑制されれば、過酸化脂質の発生も抑えることができます。そして、過酸化脂質の発生を抑えることができれば、乾癬の炎症悪化も防ぐことが叶うのです。