イソフラボンのエストロゲン様作用とは

イソフラボンにはエストロゲン様作用がある

イソフラボンがもつ女性に嬉しい働きの一つが、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」と似た働きです。この働きのことを「エストロゲン様作用」と言います。

エストロゲン様作用とは

エストロゲン様作用とは、女性ホルモンの一つ「エストロゲン」と似た働きのことです。
エストロゲンには以下のような働きがあります。

・丸みを帯びた女性らしい身体をつくる
・肌や髪のうるおいを保つ
・骨の密度を保つ
・脳や自律神経に働きかけて心身を健康に保つ

イソフラボンにはエストロゲン様作用があるため、体内で上記のようなエストロゲンの働きを補ってくれます。

なぜイソフラボンにはエストロゲン様作用があるのか

なぜイソフラボンにエストロゲン様作用があるのかというと、分子構造がエストロゲンと似ているからです。

エストロゲンなどのホルモンは、分泌された後血液にのって全身をめぐり、細胞内にある受容体(レセプター)と結合することで、はじめてホルモンとしての働きをします。
イソフラボンはエストロゲンと分子構造が似ているため、細胞内のエストロゲン受容体と結合することができるのです。

イソフラボンには多くの種類がありますが、すべてのイソフラボンにエストロゲン様作用があることには変わりありません。しかし、それぞれ微妙に分子構造が違うため、エストロゲン受容体に結合したときの反応の強弱(活性)に違いがあります。

イソフラボンによってエストロゲン様作用が起こるメカニズム

グリコシド型が腸内細菌によってアグリコン型に変換される

納豆や豆腐など多くの大豆食品に含まれているイソフラボンは、糖が結合していて分子量が大きいです。このような状態のイソフラボンを、「グリコシド型(配糖体)」といいます。
このグリコシド型は、結合している糖がさまたげとなるため、そのままの状態では体内で吸収されません。

しかし、摂取したグリコシド型イソフラボンが、腸内細菌の働きを受けて糖が分解されれば、吸収されやすくなります。この糖が外れた状態のイソフラボンは、「アグリコン型」と呼ばれています。

アグリコン型イソフラボンには、「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」の3つの種類があります。

アグリコン型イソフラボンがエストロゲン受容体にはまる

体内にもともとあるエストロゲンは、細胞核内に存在する「エストロゲン受容体(レセプター)」にはまることで、働くことができます。
アグリコン型イソフラボンの分子構造は、エストロゲンとよく似ているため、このエストロゲン受容体にはまることができます。

すると、エストロゲン受容体が、アグリコン型イソフラボンをエストロゲンと勘違いし、受け入れます。それにより、アグリコン型イソフラボンは、エストロゲンと似た働きを発揮することができるようになるのです。

エストロゲン様作用が起これば更年期障害の症状が軽減する

アグリコン型イソフラボンがもつ活性力は、エストロゲンの約1000分の1から約10000分の1といわれています。
このため、更年期にエストロゲンの分泌が減少して、体内にエストロゲンがあまりない状態のときは、アグリコン型イソフラボンがエストロゲン様作用を発揮します。

そして、エストロゲン様作用がうまく発揮されれば、ホルモンバランスの乱れが原因で起きた頭痛や不安感、発汗などの更年期の症状が抑えられるのです。

このように、イソフラボン(アグリコン型)は、体内でエストロゲンと同じような働きを果たすことから、「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。

体に優しいのはダイゼインのエストロゲン様作用

ダイゼインとは

ダイゼインは、アグリコン型イソフラボンの一種で、体内でエストロゲンと似た働きを果たしてくれます。

実は、このダイゼインはエストロゲン受容体との親和性が低く、ゲニステインと比べるとエストロゲン様作用が弱いです。しかし、エストロゲン様作用が強すぎない分、体にもやさしくて副作用が起こる心配がありません。

ちなみに、アグリコン型イソフラボンの中で、一番エストロゲン受容体との親和性が高いのはゲニステインです。このゲニステインは、エストロゲン様作用が強すぎるため、人によっては副作用が起こる危険性があります。

ダイゼインがエクオールに変換されればより力が高まる

ダイゼインが、腸内細菌である「エクオール産生菌」によって代謝されると、エクオールに変化します。ダイゼインは、エクオールに変化することで、エストロゲン様作用がより強くなるのです。

しかし、このエクオール産生菌は全ての人がもっているのではなく、日本人の場合は2人に1人だといわれています。もっているエクオール産生菌の力を高めるためには、なるべく毎日大豆食品を食べることが大切です。

また、ダイゼインは、エクオールに変化しなくても、体内でエストロゲンと似た働きをしてくれます。ですから、エストロゲンが減少する更年期の女性は、エクオール産生菌の有無に関わらず、大豆食品を積極的に取り入れることをおすすめします。